和ろうそく、たまに灯すとすてきです。
ろうそくの灯りは、当然のことながらほんとうの「火」なので、
火がもともと持つ、人を原始の世界に連れて行くような
幻想を起こさせるような力を持っていると思います。
火を見つめているとき、なんだか
いつもの電気の光では起こってこないような考え方が
心の中にわいてくることがあると思います。
火のそばにいると、火をずっと見ていたくなる、
というのは不思議ですけどほんとうです。
5年くらいまえ、東京・小金井の江戸東京博物館たてもの園で、
囲炉裏のところにいるボランティアをしていたとき、
囲炉裏に火を起こしていると、
その周りに人が集まってきて、ただ何をしゃべるというのでもなく
しばらく座っている、という人がおおぜいいました。
火に癒されるんでしょうか。
たまに風に揺れたり、
色が少し変化したりするのを
ぼんやり見つめていたくなるのです。
今使っているのは、こういう和ろうそくです。
燭台もいっしょに買ったものです。
鉄で、飾り気のない、質実剛健な感じのものです。
たまにはこんな燭台もいいですけど。
これはデュッセルドルフの蚤の市で買いました。
折にふれて「いいな」と思うろうそくを
買っておいて、たまに灯します。