カテゴリー別アーカイブ: 本

素の自分がほしがる本って

仕事で必要な本とかじゃなく
素の自分がほしがる本って
どんな本でしょう。

人は作者で本を買うことが多いって言われています。

その説にうなずきます。
久保田万太郎。
井伏鱒二。

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『だれにいふともなく』
昭和22年、戦後間もないときにこのような本が・・・
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紙のてざわりや
印刷のかすれ具合なんかも
確かに読む楽しみの重要な一部にであることを確信する一冊。

『荻窪風土記』
家にはたしかなかったけど、図書館で借りればいいかなー
と思いながら手にとって
最初のほうのページをめくると
この部分が目にはいって
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「ははっ・・」と笑ってしまったので
買うことに。

神保町古書会館の古書展では、
意外な本、久しぶりな本との出会いがあるので
楽しいです。
ほぼ毎週金土曜日にやってるよ!
東京の古本屋ウェブサイト

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朗読の時間です

山本周五郎作品を聴いた。
山本周五郎作品って、けっこう読んだつもりでいたけど
読んでないものもたくさんあるし、
たとえ読んでても、いい具合に忘れています・・・

「藪(やぶ)の蔭(かげ)」
「つゆのひぬま」
「中央銀行三十万円紛失事件」・・・

アナウンサーや俳優さんが読んでいます。
目を使いすぎて、目を使わないで楽しめることは?
という場合にもおすすめ。

NHKラジオ第2
毎週月曜~金曜 午前9時45分 | 再放送 毎週土曜 午後9時45分
朗読やってます。

わたしは
らじる★らじるの過去の放送コーナーで聞きました。
とっても良い!!

NHKオンライン 朗読

ラジオっていい。
しみじみ、いい。

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「文士のきもの」のたたずまい

ふとした用事で初めて降りた駅。
時間のあいまに古本屋さんを発見し、
古本好きとしては当然はいりますわ~

そうして、自分の嗅覚のおもむくままに
棚のあいだを逍遥しているうちに、
好きな本見つけた~~

今回はこれでした。
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きものに興味あるので手にとって
目次を見たら
これですもの・・・
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さいきん縁がある久保田万太郎もはいってて、
即、「買います。」と心の中で言ってレジへ。
草古堂 検見川店さんです。

検見川駅2階の通路に「この階段下です」っていう看板があったので行きました。
外を通ったときには気がつかないくらい何気ないお店。
類語辞典なども揃っている良きお店とお見受けしました。

で、本ですが、中にはそれぞれの人の写真がはいっていて
それがかなり味わえます。
うちの夫など、その中の1枚、
歌舞伎俳優2代目左團次の写真に惚れ込み、
床屋さんに行って「こんなふうにしてください」と頼み
若い床屋さんに「いったいこの人だれですか?」
と言われたそうです(笑)

けど、2代目左團次の写真、
すっっっっっっごく すてきなんですよ!!!

ちょっとお見せしますと
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こんなです。
(髪型的に見るとただの角刈り?みたいではあります?)

永井荷風の友人で『断腸亭日乗』に出てくることから
写真が載ったようです。
これを美しいと思う人は古い人なんでしょうか。
古い人と言われようと、美しい! と思います、断然。
姿勢とか「たたずまい」が、美しさを増しているんですかね。

ってことで、初めての街でも古本屋さんは
喜びを連れてきてくれました。
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久保田万太郎で良き出会い

久保田万太郎を好きな人って、
今どきそんなに多くないよね~
と、思っていました。

久保田万太郎と言っても、
小説、戯曲、随筆、俳句で
それぞれ好き嫌いが分かれるとは思いますが。

ある日ツイッター上で「久保田万太郎」で検索したら
人形町のギャラリーで開かれている
大高郁子さんの個展を知り
出かけることができました。
『久保田万太郎の履歴書』の出版記念展

まさか今ごろ久保田万太郎がこんなにとり上げられているとは
知らなかったので、個人的には驚きました。
もっと前に大高さんのことを知っていれば
驚かなかったのに、すみません・・・。
でも、このたび知ることができて、
ほんとに良かったです。

溝印刷の横溝さん(知り合いではないのに親しげ?)が
以前から万太郎俳句に惹かれて
好きな句で栞を刷ったりしていらっしゃったということも知り、
そういう人がいたんだな~
なんて素朴な感動を覚えたりも。
同好の人を見出した喜びというか。

で、久保田万太郎愛読者としては
大高さんの作品全部をじっっっっっっくり時間をかけて
見てきました。
どれもどれも、とっても味わい深いものなので。

そうしていよいよ最後にご著書を購入して行こうと
「すみませ~ん」
と奥へ声をかけると、
あんまりよく見ているので関係者の方かと思いました、
と言われてしまいました。
たんなる愛好者なのに、
しつこく見すぎて恥ずかしい・・・

で、折しもその日は雨ふりで、ギャラリー内がすいていたので
大高さんとお話させてもらってきました。
久保田万太郎を知って好きになったんですね、と言ったら、
今もすきじゃない!
っておっしゃったので、
「え~~?!」
なんて、笑っちゃいました。
誤解のないように付け加えると、「小説は」
好きじゃない、ってことで。
それはわかります。
わたしは小説ももちろん好きですが
「これは嫌いな人も多いだろうなーー」
と冷静に認めてます。

大高さんのご著書と名刺版久保田万太郎句抄、買わせていただきました。
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で、久保田万太郎作品のお芝居上演がもうすぐ。
みつわ会さんの公演、毎回楽しみにしている一人です。
みつわ会公演公式ブログ

それでさらに、
うれしくなって、ずっと前に古書展で買った、
「ボロボロだけど胡蝶本」(笑)の
久保田万太郎『浅草』を出してきて
味わったりしております次第で・・・IMG_1515

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永井荷風の「小説『浅草』の跋」なんかも、
時代を映して感慨深いです。
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良き出会いをありがとうございます。

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街の古本屋さん、ばんざい!

街の古本屋さんが少なくなっていくのを
残念に思っています。

そんな中、近所の大森界隈でふだん行ける古本屋さんが
松村書店さん!

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詳しいことは知らなかったのですが、
きょう、店先の写真を撮ったら
左上、商店街の電光掲示板に
「創業50年、当代30年
山王のお客様のために
古本を提供しつづけています。」
と、ありました。
古そうな感じはしていたが・・・

山王は以前は現在にもまして、
古本を売ったり買ったりする人たちが
多く住んでいたことでしょう。
文士村って呼ばれてた時代もその昔あったことだし。
馬込文士村

松村書店さんの品揃えは
お客さんの顔を思い浮かべながら並べているんだろうな
という感じがします。
それか、ある棚は、ある人が持ち込んだ本が
並んでいるのかもしれない。

営業している時間帯に前を通ると
たいていふらっと覗いてきます。
で、趣味が合うというのか、
たいてい「わ~、買おう!」
という本と出会っちゃうんです。

きょうはこれ。
武満徹・川田順造『音・ことば・人間』岩波書店
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最近、やっぱり武満徹の音楽って
知らないで小耳にはさんだときに
「ん? これなんだ?」
と、足を止めさせる魅力があるな~~
と再認識したところだったので
思わず読みたくて買いました。

街の古本屋さんばんざい!
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ふげん社さんありがとう

築地の ふげん社さん で開かれている
宇田川新聞さんの個展「本と木版画の休憩室」を
拝見してきました。
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南陀楼綾繁『本好き女子のお悩み相談室』(ちくま文庫)
刊行記念。
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本購入。

コミュニケーションギャラリー、ブックス&カフェ
ということで
室内には、テーマごとに分かれて本が並んでいます。
テーマごとになっていると、
自分の興味にひかれて見られるので見やすいです。
本屋さんでもこのように店の人が棚を楽しく作っているところが
増えていますね。
図書館の棚のイメージもあるけど、もっと自由な感じ。

詩の本
手仕事の本
建築の本
本屋さんの本
東京の本
伝統芸能の本・・・

欲しい本がありすぎて困りました。
けっこう長く居て
コーヒーも飲みました。

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オリジナルクッキーがついていて
しかも、お替わりもついていて
500円!

木のテーブルでゆっくりと本を広げつついただけるなんて
幸せ。
目の前に本だながあるので、
つい目が本の背を追ってしまうのもまた楽しいです。

件の本『本好き女子・・』は、10代から40代の女子たちのお悩みを聞いて彼女らに効く本を「処方」するっていう
おもしろい企画です。
連載していた出版社で書籍化できなかったものが
ちくま文庫になったとのこと。

長居しすぎたかな、と思い帰ろうとしていますと、
宇田川さんご本人がはいっていらっしゃいました。
ただの一お客のわたしなので、どうということもないのですが、
「応援してます」なんて申し上げて
お店をあとにしたのでした・・・
あたたかい雰囲気の作品なのでその気持ちはほんとうです。

「充電させてもらえませんか」缶バッジも思わず買ってしまいました。

また行きたいです。
(おとなりの新三浦という料理屋さんも由緒ありそうでした。)

新しくすてきな場所に出会えるのはまったくうれしいことですね。
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伝説の中にいる先住民と犬と少年が、今も生き生きと

「戌年」「冬」にちなんだお話を読んでいます。

表紙を見ると、楽しい犬ぞりレースのお話か、と思う。
ただ、少年ウィリーがレースに出る理由は、
税金の滞納を払うため。
まあ、そこまではよくある話かもしれない。
それに賞金を生活の何かに充てようとする話も
アメリカが舞台の話にはけっこうよくある。
けれどもここには、先住民族がたどった歴史も加わっている。

町のレースで常勝を誇ってきたのは先住民ストーン・フォックス。
ちなみに原題は『ストーン・フォックス』という。
ロッキー山脈に伝わる伝説がもとになっていると、
あとがきにある。
きっとストーン・フォックスのような男が実在しただろうと
訳者・久米氏は言う。

農場を営むおじいちゃんと暮らすウィリーは、
「そうしたいと思うだけでなく、かならずそうするという意志が大事だ」
とか
「質問するのはいいことだ」
とか日ごろ教えられている。

教育とは、個人が個人に与える影響力のことだ
と、どこかで読んだが、こういうことを言うのだろう。

困ったときに思い出して
活路を見つけるのに力になることを
与えてくれる人や本があるといい。

で、犬ぞりレースは、
見物のだれ一人として勝つと思っていない
必死の10才の犬と10才の少年が、途中まで1位だ。

必死すぎる一匹と一人。

作者ガーディナーが原作のあとがきに書いたように
創作ではあるが、結末のシーンは、
ほんとうにあったできごとだという。

日本語訳のタイトルは『犬ぞりの少年』で
たしかに少年ウィリーが、
おじいちゃんと農場のためにしたことの話なんだけれど
表紙で喜々として疾走する犬・サーチライトが演じる役割が
この物語の白眉だ。

楽しい犬ぞりレースのお話、ではない劇的な結末になる。

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目の前に宝物があるのに、だれも気がつかない

アリスン・アトリー『くつなおしの店』読みました。
こみねゆらさんの絵がまた良いです。

300年間、同じようにたっているバッキンガムシャーの通りの家々。
その中に並んで建つのが、ブリキ屋の店とくつなおしの店。

町に大きな店ができてから
ここでやかんやなべを買う人はあまりいなくなったブリキ屋の店は、
おかあさんと足のわるい女の子の二人ぐらし。

くつなおしの店は、
昔、ブーツ作りの名人だったが
機械でつくるぴかぴかのブーツがはやりだし
注文が減ってくつなおしばかりするようになった
ニコラスじいさんと孫の男の子の二人ぐらし。

男の子は、足のわるい女の子のために
誕生日に軽いくつをあげようと
貧しい中からおこづかいを出してニコラスじいさんに
くつ作りを頼みます。

市場で買った小さな赤い皮で
じいさんは女の子のために、かわいいくつを作ります。

そのくつの中に、足がいたくないようにと
男の子が、自分の手で
柔らかい羊の毛をはってあげるのです。
誰も見向きもしないところに散らばっているのを
一生懸命に集めて。

乏しいお金で買った皮で女の子のくつを作ると
もうほんの切れ端しか残らないけれど
じいさんはそれで、小さな小さなくつを作ります。

それはじいさんにとって
久しぶりの好きなくつ作りの仕事で
美しい音楽を聞くような楽しいひととき。
夢中で針を動かしてできあがったくつは
この世のものでないかのような、みごとなくつ。

くつなおしの店の窓辺に
かわいらしい赤いくつを見つけて
大ぜいの妖精たちがやってきて歌うのを
心から祝福したくなります。
毎日のくらしは、
「つまらない」繰り返しをまじめに続けることこそだいじだと
改めて気づかされました。

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新潮文庫のマイブックで時間管理

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ここ数年日記帳のように使っている新潮文庫の『マイブック』

今年も継続することにしました。

新潮文庫の新刊案内にも出ていたのを発見。

日記帳の売り場ではなく新潮文庫の売り場にあるんです。

一日の中で時間管理をするのにもけっこう便利につかえます。

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きょうしなくちゃいけないことを書き出し
時計に割り振っていく方式で。

怠け者でしかものろまと来ているので

こうすることで、やり残しをしないようにします。

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見捨てられ行くところのないみじめな人は、ほんとうにそうなのか? 見分けられる目を持とう

石井桃子さん訳『マーガレット・マーヒーお話集 魔法使いのチョコレートケーキ』を読みました。

8つのお話がはいっています。
ニュージーランドに住む作家マーヒーさんの作品から、
訳者の石井桃子さんが、
ふしぎなことのでてくるお話を選んだものです。

石井桃子さんが、イギリスの本屋さんから送ってもらった
新刊書リストを見ているうちに、
「・・・第一お話集」という平凡な書名なのに
ぱっと目にとびこんできて
すぐに注文したという逸話があとがきにあります。

本の目録を見る楽しさが伝わってくるし
その直感ともいうべき出会いが
かなりの確率で的中していることに
本好きとして共感します!

表題の「魔法使いのチョコレートケーキ」は
8つのお話のうちのひとつです。

わたしたち多くの現代人が
信じなくなった「ふしぎなこと」は
どんなに人を幸せな気持ちにさせる(させた)でしょう。
子どもである時期にはせめて持てるようにさせてやりたいような
不思議を信じる気持ちを
呼び覚ましてくれます。

「たこあげ大会」「葉っぱの魔法」「遊園地」と
読み進むうちに、
子どものころの「たこ」は、
単純で目に見えていたが
おとなになってからの「たこ」は
簡単には見えない。
あるとき、その人にとって「それ」と
わかるときがくるんだな、
と気がつきます。

物語を読んだ「心」は、
ほかの人にもはたらきかけて、
この、世の中の空気をきれいで吸い込みやすくするのでしょう。

見捨てられ行くところのないみじめな人に見える人びとが
ほんとうにそうなのかどうか、
見分けられる目を持とう、と決心させてくれます。

「メリーゴーランド」にでてくる
虹の色のつばさで上へ上へとのぼっていく木馬たちの姿を
忘れまいという気持ちになります。

おしまいの「幽霊をさがす」で
古い家にあるこわれた椅子や
いっしょに遊んでいた女の子を待っているようなお人形が
風化した深い悲しみを感じさせるところまで8編、

実は、途中からお手洗いに立ちたくなったけれど
次はどうなるのか気になりすぎて
読み終えるまで我慢してしまいました・・・
それほどおもしろく心にしみ入ります。


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