見捨てられ行くところのないみじめな人は、ほんとうにそうなのか? 見分けられる目を持とう

石井桃子さん訳『マーガレット・マーヒーお話集 魔法使いのチョコレートケーキ』を読みました。

8つのお話がはいっています。
ニュージーランドに住む作家マーヒーさんの作品から、
訳者の石井桃子さんが、
ふしぎなことのでてくるお話を選んだものです。

石井桃子さんが、イギリスの本屋さんから送ってもらった
新刊書リストを見ているうちに、
「・・・第一お話集」という平凡な書名なのに
ぱっと目にとびこんできて
すぐに注文したという逸話があとがきにあります。

本の目録を見る楽しさが伝わってくるし
その直感ともいうべき出会いが
かなりの確率で的中していることに
本好きとして共感します!

表題の「魔法使いのチョコレートケーキ」は
8つのお話のうちのひとつです。

わたしたち多くの現代人が
信じなくなった「ふしぎなこと」は
どんなに人を幸せな気持ちにさせる(させた)でしょう。
子どもである時期にはせめて持てるようにさせてやりたいような
不思議を信じる気持ちを
呼び覚ましてくれます。

「たこあげ大会」「葉っぱの魔法」「遊園地」と
読み進むうちに、
子どものころの「たこ」は、
単純で目に見えていたが
おとなになってからの「たこ」は
簡単には見えない。
あるとき、その人にとって「それ」と
わかるときがくるんだな、
と気がつきます。

物語を読んだ「心」は、
ほかの人にもはたらきかけて、
この、世の中の空気をきれいで吸い込みやすくするのでしょう。

見捨てられ行くところのないみじめな人に見える人びとが
ほんとうにそうなのかどうか、
見分けられる目を持とう、と決心させてくれます。

「メリーゴーランド」にでてくる
虹の色のつばさで上へ上へとのぼっていく木馬たちの姿を
忘れまいという気持ちになります。

おしまいの「幽霊をさがす」で
古い家にあるこわれた椅子や
いっしょに遊んでいた女の子を待っているようなお人形が
風化した深い悲しみを感じさせるところまで8編、

実は、途中からお手洗いに立ちたくなったけれど
次はどうなるのか気になりすぎて
読み終えるまで我慢してしまいました・・・
それほどおもしろく心にしみ入ります。


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小さなつみかさね と 趣味のやりがい

今年の目標は
「小さなつみかさねをたいせつに毎日を暮らす」
です。

「小さなつみかさね」の中身を
手帳や日記に書き出して、皆さまお互い、がんばりましょう。
書き出すことで、自分としてうやむやにしなくてすみます・

昨年来、お稽古ごとを続ける意味について
考えないでもないわたくしです。
趣味のお稽古ごとは、「好きだから続ける」
だけなんだけど、
何か自分なりに「もっと楽しく」できないものかと・・

わたしの場合は、お琴と三味線が趣味です。
はいっている会で、年に1,2回、勉強会としてみんなで発表しあいます。
それで「あーへただなあ」と痛感し
「来年もがんばろう」という感じで
長年やってきました。
いろんな都合で休んだり再開したりを経ながらも。

それで満足なようでもあり、
何か自分としてエネルギーが足りないな、
もう一歩「やってる甲斐がほしいな」
と感じたりもします。
それは自分で創り出すもの。
その方法を今年は考えたいな。

たなくじひいたら偶然、「小さなつみかさね」
に合致した内容でした!
(Eテレ朝6:55からの「0655」でやってます。)
たなくじ
120個というと、約3日に一度の割合で
かなうということです。
すごいぞ。
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ひとり夕飯で使った食器たち

夕飯をひとりで食べて
洗い上げた食器たちをふと見ると、
ばらばらな雑器ではありますが
気に入って買ったりもらい受けたりした
器たちが並んでいました。

フェリシモ1

フェリシモ2

古道具市で出会ったものなど、
わりと古風なものが多いです、やっぱり。
ご飯茶碗は昔の子ども用・・
小さなお皿にちょびっとずつおかずをのせて
いただきました。

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だれもがこの物語の主人公になる

築50年あまりの木造アパートに暮した13組の住人たちの、
平凡だけど一様でない日常。
町を歩いているだれもが主人公になる可能性のある
物語っていう気がします。

一から十三、
名字につく数字からわかる13組の住人たちが、
5号室で暮らし、そして出ていった。
50年あまりの間に、老若男女がそこで
人生の一部を、苦しんだり努力したり
笑ったり泣いたりして。

歴代の住人たちが、5号室でより良く暮らそうと
工夫した痕跡が受け継がれていくのもいい。
前の住人が暮したわずかな息吹きが感じられるのは
かえって心地よいものだ。

5号室は、へんな間取りっていうのもおもしろい。
「6畳・4畳半・キッチン3畳」っていうと普通っぽいけど、
その配置が変わっていて
住む人が自由な発想で使うことができるのだ。

ひょんなことから歴代の一部住人どうしが
互いに知らない結びつきを持っていたりする。
それを知るのは、あとの方の住人と神のみ。
部屋は黙って人々を受け入れ、包み込み、送り出してきた。

表札や郵便受けに残った前の住人の名札、
蛍光灯のひも、
カレンダーや靴べらをかけるフック、
当然次の住人も便利に使うだろうと
つけたままで置いていってくれたのかな
なんて、
ちらりとその見知らぬ人のことを考えたことがある人には
よりおすすめです。

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おとなの心に効くはなし

『むささび星』を読みました。

九州、飫肥は杉の産地。

何百年も昔から、人々がこつこつと植えて育ててきた杉が
山一面に美しく並んでいます。
村の人たちは、杉といっしょに生まれ、育ち、年をとっていきました。

かつて、さし木にする若枝を摘み取るのは、
木登りの上手な若者たちの役目。
村祭りで杉の大木に登り、
一番早く、一番高いところにお札をつけてきた者が、
あくる年の春、杉の若枝を摘む役になります。

一番になった者が摘んだ穂は
根ざしがよく、育ちもよいといわれていたのです。

その村におかあさんと二人きりで貧しく暮らす太郎。
太郎は村祭りの木登り競争に子どもながら出ることにしましたが
まだ幼すぎてかわいそうに思ったのか、
神主さんは太郎に二度お祓いを授けてくれました。

太郎のおとうさんは太郎が小さいころに亡くなり
太郎が山で遊んでいると、
おとうさんの声が木の上のほうから
聞こえるように思えたのでした。

太郎は「むささび太郎」と言われるようになり、
何年もが過ぎていきました。

杉が、どこまでも美しく並ぶ山で生きてきた人たちの
くらしの歴史や、「働き歌」の響きが
作者・今西さんの心の中で醸成されてできた
悲しくも美しいおはなしです。

簡便に、速く、薄く、ということが
最善であるかのような今の世の中が、
ほんとうに人間にとって幸せなのだろうか?
と、ふと立ち止まって考えさせられます。

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ゆっくりでも少しずつ進もう。 幸せは自分の心の中にある。