こういう風が吹いていたときに
何かを思ったという記憶が、
生きる年数を重ねるほどに多くなっていく。
だからだろう。
同じ時候になって吹いている風を
一瞬感じただけで、
何か悲しいような、うずくような
心はずむような
いろんな感情が心の中にわいてくる。
季節の移ろいはそんなものを運んでくるからすばらしいんだ。
季節といえば、衣替えをしなくなって久しい。
ものが減ったからというわけでなく、
無精になったのね。
夏の物ケース、冬の物ケースというふうにだいたい分かれている。
実際はどっちにもはいるものもあるから
キッパリ分けられるわけじゃないけど。
それと、暮らしの形みたいなものは
人間そう変えられないから、今は使わないけど使うかも? と思って手に入れてあったものは、やっぱりたいていは使うようにはならない。
私の場合は、床にすわる生活様式が好きなのは変えられない。そうすると猫たちもそうなって、椅子に座っちゃうと、人にうまく寄り添えなくてなんか居心地悪そうにする。
自覚したのはシンガポールで暮らしたとき。
石の素材の洋式の部屋で、とうぜんそこに椅子があるのに、なぜか床に座っていたわたし。
そのほうが落ち着くのね。
そう、落ち着くの。
落ち着くかどうか! っていうのが、その人にとってだいじね!
今後、行動のめやすにするようにしたいもんです。