帳場格子がある、こういうお店は
さすがに昭和30年代でも、もうなかったんじゃないかと思います。
でも、それぞれの道具立ては今でもあります。
茶箪笥、柱時計、障子、襖、熊手、招き猫。
・・そう考えると、ほとんどが現役で、
こういう形態のお店がなくなった、というだけなんですね。
こういう小さい商売が成り立たなくなったのは惜しいです。
街によっては、成り立ち得るんでしょうか。
大型店が幅をきかす地域ではだめですよね・・
このお店は、浅草花川戸の鼻緒屋さんらしいです。
こんな店先で鼻緒を選んで
そこですげてもらうってわけですね、きっと。
上がりかまちに火鉢が置いてあって、あたれるようになっていました。
これは、台東区の下町風俗資料館です。
行ってみて、ここの良い点は、
家や道具がただ「陳列」されているのではない、という点です。
そこに人が暮らしている、という息吹を表してあるんですね。
それはきっと、この展示を作った人たちの中に、
こういう暮らしを覚えている人がいたからなんじゃないかと思いました。
あんまり昔だと、
どういうふうに使われていたかがわからなくなって、
展示して「見るもの」になっちゃいますけど、
ここの展示はついこの間までは使われていたものばかりだから。
うちでも、茶箪笥、柱時計、障子、襖はげんに使っているし!
招き猫は置物はないけど、招き猫もようの鏡がある・・
資料館の外、上野不忍池のほとりのイチョウはこんなでした。