カテゴリー

むかし自分が持っていたピュアな心を発掘してくれる

むかしは「知恵おくれ」っていうことばがあったな。
その表し方は、その人に対する考え方の表れで、
そこには、蔑みの気持ちではないものがある気がします。
じっさいに障がいのある人に会うまえの子どものころに
この本を読んだような気がします。
障がいのある人への心って、案外こういうところで
形成されているかもしれません。
「知恵おくれ」の「じろはったん」(次郎八という人の愛称なのです)に、妙に偏見を持たずに
「こういう人」として純粋に接する人たちが
心地よいです。
このものがたりは、
疎開(の子どもたち)をいじめたり疑ったりする心も出てくるし、
戦死もある。
そういう醜い面、苦しい面も描きながら
人びとを押し流しつつ時は流れて
じろはったんも死ぬ。
人の生きる営みは、こうして絶えず続いている・・
っていうことを淡々としかも容赦なく
訴えかけてくるものがたりです。
じろはったんの村に疎開してきて
村の人びとやじろはったんに世話になった
小学生と先生の様子やのちに届いた手紙が
むかし自分が持っていたような気のするピュアな心を
思い起こさせてくれます。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください