神奈川芸術劇場で行われた
杉本文楽『曽根崎心中』
に行きました。
「見に行った」と書こうとしましたが、かなりの割合で「聴きに行った」とも言えるので、ただの「行きました」にしました。
国立小劇場で見るのと、舞台の作りが違うので随分異なっていました。
天井桟敷とも言うべき席で見たので余計に。
作曲・演出 鶴澤清治とのことでした。誰も見たことのない曽根崎心中のオリジナル。
2008年に黒部で初版完全本が発見された、というのは、驚きです。
まだそんな「発見」なんてことがあるのかと。
文楽の人たちは、いつも感心しますが、この公演でも熱演でした。
この高等な技術を毎日の血の出るような稽古で身につけたんだろうな、ということがこちらに伝わってきます。
豊竹嶋大夫の天満屋の段は、清治さんという弾き手の横で、もはやさらさら流れる小川のような、自然な語りとなっていたような気がしました。
「嶋大夫だ。そう思って心して味わっていこう」
と始まる前に思っていたにもかかわらず、
話のなりゆきに引き込まれて
はらはらしたり笑ったりしているうちに、
嶋大夫清治の二人が引っ込んでいっちゃった〜・・
という感じでした。
たった3日間の公演でした。
9月には通常の国立劇場での公演も控えている中、出演者の人たちはさぞ稽古もたいへんだったと思います。
9月もまた熱演を楽しみに劇場へ行くつもりです。